ショートケーキにクリームを塗る作業をナッペと言い、ナッペに必要な基本的なスパテラの使い方を前回の記事で解説しました。

スパテラの使い方はこちら

 

ショートケーキ作りの手順として、スポンジ生地を作り、生地をカットしてクリームとフルーツをサンドし、いざここからデコレーション(🟰ナッペ)となるのですが、生地の周りにクリームを塗るナッペの作業は、下塗り→本塗りという2段階でクリームを塗っていきます。

 

え!ただクリームを塗っているだけじゃないの?!と思われたかもしれませんね。

スポンジの周りにざざっとクリームを塗って仕上げ!でももちろん良いのですが、先に下塗りというステップを踏んであげるだけでよりケーキがキレイに仕上がりやすくなるのです。

今回は、そのナッペの手順となる「下塗り」と「本塗り」という作業について解説をしていきたいと思いますので、良ければお付き合いくださいね♩

 

ナッペの手順1.下塗りとは?

まず、下塗りは何のためにするのか?をまずは説明しておきたいと思います。

下塗りをする目的は?

1.ケーキの凹凸を整える

ショートケーキを組み立てていくと必ず凹凸が発生するかと思います。スライスしたスポンジ生地の間にクリームやフルーツをサンドすることで上下の生地の間に隙間ができたり、スポンジ生地の気泡の凹凸、カットした時のズレによる高低差などですね。

そこから平坦でキレイな面を作っていくためにはそれらの凹凸を埋める作業が必要になります。

お化粧でいうとファンデーションを塗る前にベース(下地)を塗るイメージですね。下塗りで薄くクリームを塗っておくことで生地表面の凹凸が整えられ、その後の本塗りのクリームをキレイに仕上がりやすくしてくれるのです。

 

2.ケーキクラムが出ないようにしてくれる

スポンジ生地に摩擦が加わると、スポンジ生地の表面がポロポロと崩れて細かい生地のくずが出てくるかと思いますが、それを「ケーキクラム」と言います。

ケーキクラムをあえてデコレーションで使うというテクニックもあるのですが、意図せずケーキクラムが白いクリームの中に混ざってしまうとキレイな仕上がりになりにくいです。

そのため、下塗りでクリームを薄く表面に塗りながらケーキクラムが出てこないように抑えてあげると作業性も仕上がりもアップするという効果があるのです。

 

下塗りの注意点

下塗りをする時に気をつけたいポイントは、

・クリームの硬さ

・クリームの量

になります。

まず、クリームの硬さは硬めのクリームを使うのがポイントです。というのも、下塗りのクリームが軟らかすぎると本塗りの際にクリームの密着度が悪くなってしまい、形がキレイにキープできなくなってしまいます。

そしてクリームの量は、スポンジ生地の表面が透けて見えるくらい薄く、がポイントです。これもお化粧をする時と同じように、化粧下地をたっぷりと塗りすぎているとファンデーションが上手く乗らなくなってしまうのと同じですね。

ケーキの表面の凹凸が埋まればOKとしてくださいね。

 

ナッペの手順2.本塗りとは?

本塗りはナッペの仕上げのクリーム。本番のクリームと言ったイメージですね。

本塗りはケーキをキレイに美味しくするためのクリームになりますので、ここでは本塗りをする際に気を付けたいポイントについて説明しておきたいと思います。

 

本塗りで気を付けるポイント

1.何度もやり直さない

ある程度泡立てた生クリームはゴムベラやスパテラで触る度に更にどんどん泡立っていきます。

生クリームの特性として、泡立てがいき過ぎると、生クリームの中の脂肪球同士が結合を繰り返し、どんどんと締まって固くなっていきます。固くなってしまったクリームは滑らかにスパテラを動かす事が難しく、ツヤもなくぼそぼそとした見た目になってしまいます。

ゴムベラですくったり、スパテラでクリームを塗ってはいるけど、泡立ててはないよ!と思われるかもしれませんが、一度泡立てた生クリームは触るだけでもどんどんと脂肪球同士の結束が強固になって固くボソボソとしてきてしまうのです。

口溶けもよくなくなってしまうため、できるだけゴムベラやスパテラでの摩擦を減らし、少ない手数で仕上げるのがポイントです。

 

2.柔らかめの生クリームを使用する

ポイント1でお伝えしたように、一度泡立てた生クリームは触れば触るほど泡立ってボソボソになりやすくなるため、ある程度摩擦で固くなることを考慮して予め少し柔らかめのクリームを使うのもポイントです。

目安は八分立てくらい。生クリームをすくいあげた時に一瞬ツノが立って、ツノが軽くおじぎするくらいの硬さのクリームを使っていきましょう。

 

3.たっぷり塗ってから余分なクリームを落としていく

ショートケーキを覆う周りのクリームの量も、仕上がりに大きく影響する要素の一つ。

あまりクリームが少ないと、スポンジがもそもそ感じてしまいますし、クリームが多過ぎてもケーキが崩れやすくなる原因になります。

平均的には5mmから7mmくらいの厚みで塗れるのが理想かな?と思っています。

ただ、最初から5mmの厚みを意識してクリームを塗ってしまうと、側面をキレイに仕上げようとスパテラを動かしていく間にスパテラにクリームを持っていかれてしまい。中の生地が透けて見えてしまってやり直し、という事も結構よくあります。

なので、クリームはまず厚めにたっぷりと塗りましょう。多少の凸凹は気にせず、クリームを全体にたっぷりと塗ってから余分なクリームを軽く取っていくようなイメージの方がキレイに仕上がりやすいかと思います。

この時、前回紹介したスパテラの使い方で側面全体にスパテラが当たっている状態で一気に回転台を動かすことで真っ直ぐな面が出来上がりやすくなります。

 

YouTubeに動画をアップしました!
下塗りから本塗りの流れのイメージを掴んでいただけたら嬉しいです!

 

 

ということで、ナッペの流れは下地作りの下塗り→柔らかいクリームで本塗りという流れになります。

クリームの泡立て方、固さの目安はこちらの記事で解説していますので、こちらもご活用くださいね!
ショートケーキの生クリーム プロが教えるベストな泡立て方とは

これだけでもきっと本格的なショートケーキに近付くはず、、、!!

 

是非チャレンジしてみてくださいね!