お菓子作りで香り付けというと代表的なものが「バニラ」かと思います。

私も好きな香りですし、バニラが使われているだけで少しグレードアップしたような贅沢な気分になりますよね。

バニラの香りをつけると一言で言っても、実は様々な方法があります。

香料の種類だけでもバニラエッセンス、バニラオイル、バニラエクストラクト、バニラビーンズペースト、とどれを選んだら良いの?と思ってしまうほど色々あります。

 

ここでは、ショートケーキで使うなら?というという視点でそれぞれの特徴や使い方について解説していきたいと思います。

バニラを使う目的は?

バニラに限らずですが、香りをつける目的は風味をアップする、卵や牛乳といった材料の臭みを和らげるというのが主になります。バニラ以外にもリキュールやスパイスなどを使ってその目的を果たす事もできますが、バニラが一番馴染みがあり使いやすく、ショートケーキとの相性も良いと思います。

もちろん絶対に必要なものではありません。
手軽に作りたい、手に入らなかったという事であればなくてもできる材料になりますが、あればより美味しさがアップするので、参考にして頂けたらと思います。

 

バニラの香りをつけるための主な材料の種類

色々あるバニラの種類、ここで少し紹介していきます。

  • バニラエッセンス
  • バニラオイル
  • バニラエクストラクト
  • バニラビーンズペースト
  • バニラビーンズ

どれも製菓材料店に行けば手に入れることができますし、バニラエッセンス、バニラオイルであればスーパーでも気軽に購入することができます。

 

それぞれの特徴、ショートケーキに使うなら?

  • バニラエッセンス

出典:Amazon.jp

バニラエッセンスは、エタノールなどのアルコールにバニラの香りをつけたもの。
水溶性なので同じく水分の多い食材に馴染みやすいのが特徴です。手軽な価格で買えますが、天然のバニラの香りではなく、香料が使われていることがほとんど。

エッセンスは、使用推奨温度帯が-20℃から40℃とされており、加熱をすると香りが飛んでしまいやすくなるため、アイスクリームやパンナコッタなどの冷菓向きとされています。ショートケーキに使うのであれば、スポンジケーキに使うよりも生クリームに数滴入れるという使い方の方が香りを楽しめるかと思います。

スポンジケーキに使う場合は溶かしバターと牛乳を生地に加えるタイミングで一緒に数振り振り入れて混ぜて使います。

 

  • バニラオイル

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バニラオイルは名前の通りオイルにバニラの香りをつけたもの。オイルなので、油分が多い生地に馴染みやすいとされ、バニラエッセンスと比較すると加熱をしても香りが飛びにくいのが特徴です。クッキーやパウンドケーキなどの焼き菓子に向いています。

ショートケーキのスポンジ生地に使用する場合は、バターと牛乳、バニラオイルも一緒に温め、生地に加えて混ぜましょう。スポンジ生地はオーブンに入れるまでのスピードが重要なので、バター、牛乳、バニラオイルは一気に加えて手早く作業ができると良いですね。

 

  • バニラエクストラクト

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バニラエクストラクトはバニラエッセンスと同様、アルコールがベースになっています。
では何が違うのか?というと、天然のバニラをアルコールに浸けて香りを抽出しているという点。

人工的な香料ではなく、ナチュラルなものを使用しているため、添加物などを気にされる方はこちらがおすすめです。
ただ、天然のバニラはだんだんと収穫量が減っていることもあり、年々値段が上がっているとも言われています。そのため、バニラエクストラクトも、バニラエッセンスと比較するとお値段はやはり高くなります。

使い方はバニラエッセンスと同様、バターと牛乳を生地に入れるタイミングで数滴入れると良いと思います。

使用量に関しては、どれもメーカーによって香りの強さなどが変わってくるため、パッケージの推奨使用量を目安に使用して下さいね。

 

  • バニラビーンズペースト

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こちらはここ数年でだんだんとメジャーになってきたものなのですが、天然のバニラの香りと、バニラビーンズの種子を糖分も加えてペースト状にしたもの。

バニラの粒々が入っていると本物のバニラを使っているんだなとそれだけで美味しそうに見えてしまいますよね。

ですが、バニラビーンズは高級な上、使用するにもさやから種をしごき出すという工程が必要なのでなかなか気軽に使えないというのが正直なところ。

その点このバニラビーンズペーストであれば気軽にバニラビーンズの粒々感や香りを楽しむことができます。
用途も、冷菓から焼き菓子まで幅広く使えるのもありがたいですね。

 

ペースト状なので、バニラエッセンスなどと同様に生地に混ぜようとすると馴染みにくいかと思いますので、バニラビーンズペーストを使うのであれば、卵をぼぐして砂糖を加えるタイミングで一緒に入れることでバニラビーンズが全体に行き渡りやすくなるかと思います。

バニラビーンズの粒々が入ったスポンジケーキ、想像しただけでも贅沢で美味しそうですね。

 

  • バニラビーンズ

出典:Amazon.jp

 

バニラビーンズはなかなかショートケーキで使われることはないかと思いますが、合わせてご紹介しておきたいと思います。

バニラは蘭科の植物で、有名なところでいうとタヒチやマダガスカルなど熱帯地域で栽培されています。
収穫時はインゲン豆のような見た目をしておりそのままではバニラの香りはしません。その実を焙煎、発酵させることでバニラの香りが出てくるので、バニラビーンズとして使えるようになるまでにとても手間がかかっているそうです。

1本600円から800円ほどするため、私もここぞというお菓子作りにしか使いません(笑)

 

バニラビーンズの使い方としては、黒いさやから中の種子を取り出し、カスタードクリームを炊く際に加えたり、サブレを焼く時に加えたりすると見た目も香りもグレードアップします。

バニラビーンズの種子は粒子が細かく水分が多い生地に混ぜようとするとなかなか種子が解れず全体に行き渡りにくいため、あらかじめ砂糖と混ぜてバニラビーンズの種子をほぐしておくのがおすすめです。

 

 

まとめ:結局スポンジケーキには何がベストなの?

手軽、かつバニラ風味を重視するのであれば、製菓用のバニラオイルが一番良いかと思います。
(バニラオイルで検索するとアロマオイルも出てくるので買われる際はお気をつけ下さいね)

バニラオイルが手に入らなければバニラエッセンス。
もっとバニラを全面的に出したい!のであればバニラビーンズペーストを使ってみるのも面白いと思います。

材料にこだわりだすと、どんどんその沼から抜けられなくなるのですが、それもまた楽しいかなと思います。
自分の好きな材料で好きな塩梅で作ることができるのも手作りの魅力の一つ。

 

良ければこの記事を参考により美味しいスポンジケーキを焼いてくださいね。